旅するコーチのblog

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僕は誰も幸せにすることができない

僕は誰も幸せにすることができない

パタゴニア、パイネのトレッキングから帰ってきました。
2週間前に6日間のトレッキングに行って、自然の中を歩き、この旅の中でも特別に幸せな体験をしたことが忘れられず、街に戻ってからもまたトレッキングに行きたいと思っていました。
自然の中を歩いていると、いろんなことがアタマに思い浮かぶのですが、ふと冒頭の言葉がおりてきました。
そう、思い浮かぶというか、ふと降ってくるような感覚でした。

僕は誰も幸せにすることができない。

そう、僕は、「誰かを幸せにしなければならない」と思い込んでいて、それなのに、「幸せにすることができなかった」ということをずっと心の奥で握り続けていることに気がついたのです。

3年前に離婚をして、大切な人を幸せに出来なかったという体験が自分の中にあり、「自分は誰かを幸せにできるんだろうか」という問いを、無意識に持ち続けていたんだと思います。
そして、無意識のうちに、「いや自分はまだ足りない、未熟だから誰かを幸せにすることができないんじゃないか」と、勝手に思い込んでいていた気がします。

自然の中を歩き、自然に身を置き、ただ歩くだけの日々をこんなにも幸せに感じる時間がトレッキングの中にありました。
キャンピングカーの旅をしている時も、自分がとても幸運に恵まれ、ラッキーだと何度も何度も感じていました。

誰かを幸せにすることができるか。という問いは、そもそもの前提条件が「幸せは誰かにしてもらうもの」、そんなふうにも思えてきたのです。
極論、その人が幸せを感じるかどうかはその人次第で、コントールすることもできないし、その人の幸せを支配することもできないよなと思います。

その人が、「幸せを感じる瞬間をつくること」を努力してつくろうとすることはできても、その人が幸せかどうかはわからない。

誰かを幸せにできるんだろうかという問いは、僕にとってはなんだかおもりのように自分を縛っていたんだと思いました。
ああ、僕は誰も幸せにできないんだ、とふと受け入れた瞬間とても楽に感じました。
自分の幸せは自分しか感じることはできないし、誰かが幸せを感じるかどうかも相手次第だというところに立ってみると、幸せは誰かにしてもらうものじゃない、そんなふうにも感じるようになりました。

自分のどこかに、「不自由のない暮らしは幸せ」だと、当然のように思っている気がするのですが、それもひとつの思いこみだったような気がします。
むしろ、不自由な暮らしの中に謙虚さと感謝が生まれ、あたりまえがあたりまえじゃないことを知る機会がある気がします。

食べるものに困らない、生活する場所にも困らない、学校に行くことも、欲しいものがあればそれを買うことも、手に入れることも困らない、そんな暮らしが幸せだと思い込んでいて、そんな暮らしをすることが幸せなんだと、そんな風に思っていました。

パタゴニアを旅する中で、幸せそうに生きている人たちにたくさん会いました。
beautiful lifeを執筆して、まさに美しい暮らしをしている菊池このみさん夫婦も、小さな村でホステルをしているおじさんおばさん、プエルトナタレスでカウチサーフィンでお世話になっているグロリアファミリー、一ヶ月のキャンピングカー生活を一緒にしてきた仲間たち、お金がたくさんあって贅沢だから幸せかというと、必ずしもそんなことはなくて、人との出会いを楽しみ、自分の状況を受け入れ、ユーモアと周りの人との調和の中で生きているように見えました。

僕は僕自身が幸せあることを選択して生きようと思うし、周りの人も幸せであったらいいなと思うのですが、そこは僕の手に負えないなと、やっと手放すことができるように思います。
その人が幸せであるかどうかは、僕にはどうすることもできないのです。
その人自身が自分でつかむしかないし、その人自身が自分で自分の人生に立つしかない、そんな風に思います。
そして、みんな勝手に幸せになっていくよなと、とても楽観的にも思ったりします。
どんな状態が自分にとって幸せなのか、それを感じるこの旅はまだまだ続きます。

一ヶ月半のパタゴニアを明日出発してサンチアゴに飛びます。
寂しいですが、クスコで会ったチリ人の友達の家にお世話になるので、それはまたとても楽しみです。
その後は、南米を北上する予定ですが、もしかしたら、ペルーまで飛行機で飛ぶかもです。
その辺にいる方々、またお会いしましょう。その後は、メキシコ、キューバ、スペインでサンティアゴ・デ・コンポステーラ
を歩く予定です。
人生も旅もまだまだ続きます。

しばらくwifiが使える生活になりそうなので、コーチングのクライアントも募集します。
たくさんは無理ですが、ひとりかふたりくらいなら。
興味のある方は連絡ください。

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