旅するコーチのblog

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自分を生きる

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「1年間、アジアを旅して、日本を見てどう感じるの?」

何を食べるかよりも、何を食べないかの方が体を健康にしてくれる
誰かと会うかよりも、誰とも会わずに一人の時間が自分を取り戻す。
何をするかよりも、何をやめるかの方が、時間を生み出してくれる。

「1年間、アジアを旅して、日本を見てどう感じるの?」
よく聞かれる質問のひとつ。

より多く、もっともっとの呪縛というのは、なかなかやっかいで、
僕らの日常や生活、資本主義のいたるところに蔓延している。
「今よりも、もっと」が合い言葉のように欠乏感、不足感を刺激され、「足りない」にフォーカスされる。
「足りない」が刺激されて欲しがるものはなんでも、それを得ても満たされない。
「モノ」もそうだし、「ヒト」でもそう。
ほしいからといって手に入れたカバンや靴は使わずにタンスの肥やしになり、
さみしいからと人に会うと、もっとさみしさを感じるのくり返しに陥る。

自分がどれだけ「足りない」に支配され、そこから行動を起こしているかにうんざりするし、
「ない」を起点にした行動は、一瞬の満足を得た後に、すぐにまた「ない」にもどる。

「すでにある」の意識、しあわせは「足るを知る」だと、頭ではわかっていても、
手元にあるものよりも、今ここにないものに目がいってしまう。
言葉巧みに欲望が刺激され、本当に欲しかったものかどうかもわからずに、衝動で何かを買ってしまう。
自分の時間を使い、いろんなことを犠牲にして、ゆとりある生活を引き換えにして得たお金を使って、浪費してしまう。

「まだ足りない」「もっともっと」をくり返しても、際限なく欲望は刺激され続けるし、
「今あるもの」「すでに持っているもの」に焦点を当てようとしても、すぐに気がそれてしまう。
日本の街に溢れるノイズは至るところにはびこっていて、びっくりするほど胸焼けしてしまった。
フェイスブックや、テレビ、雑誌、電車の中の中吊り広告まで本当にたくさんの刺激と情報に溢れ、ほんとうにどうでもいいことに気がそらされてしまう。
街の中は広告というメディアにこんなにも浸食されていることに、日本に帰ってきてびっくりしたし、
文字が書いてあれば読んでしまうし、写真があれば見てしまう人の習性を利用した広告の技術に感心する。

 

日本とアジアの国々

日本のいいところは、周りとの調和やサービス、協調性やおもてなしだと思うけど、
それがいきすぎてしまうと、同調圧力になり、勝手に自分で自分を制限しはじめてしまう。

日本は、自分が生まれ育った場所ということもあり、本当にごはんがおいしいし、街が綺麗だし、サービスがこれでもかというほど丁寧だったりするけど、なにか物足りないし、このままじゃ何かよくないと思いながらも、忙しい毎日を日々こなしていくために立ち止まることも、ゆっくりと呼吸をする時間もなくなっている。
大切な人と過ごす時間も、大切な人との別れの時間を嘆く暇もなく、日々やることに支配されてしまう。
僕らは十分にがんばっているし、精一杯生きていると思う。
もっともっとがんばらないとと、ハッパをかけて走らせることもできたけど、走り疲れてうずくまっていく人を何人も見てきた。
うつ病で会社を休んだり、辞めたり、ギリギリまでがんばってしまうが故に、助けてといえなくて、苦しくても一人でいろんなものを抱えてしまう。

アジアの国々は、もっとゆるかったし、やさしかった。
人間関係や、お金の不自由で生活が苦しい人はたくさんいた。
好きな人がいれば、嫌いな人もいるし、嘘をつく人もいれば、正直でおせっかいなほど優しい人もたくさんいた。
人との繋がりがある場所ほど、人は楽観的になるし、
人との繋がりがなくなればなくなるほど、人は悲観的になっていく。
そして、自分一人でなんとかしなければ、稼がなければ、生きていかなければとなっていく。

 

自分を生きる

僕は今、ほんとにいろんな人にお世話になりまくって生かしてもらっていて、申し訳ないなと思いながらも、恩返し、恩送りをして生きていきたいと思う。

何かをすることから自分を解放し、何をやめるか。
何を自分の生活から削ぎ落とし、何を選ぶのか。

モノの断捨離と、情報の断捨離、つながりの断捨離の先に、大事なものが残る。
大事なものはすでに持っている。
生きたい生き方をすでにしている。
自分が願ったことを生きている。
どんな自分であっても、その自分を生きることから始めたい。

2016年、あっという間に、1ヶ月。
僕の人生もきっとあっという間に通り過ぎていく。
いつ死ぬかわからないこの人生、死ぬまで生きよう。